気づくと私の目には涙が溜まっていた。
「え…ちょ、何?どうした??」
ふいにアイツに抱きついて泣いた。
『なんで…』
「え?」
悔しくて、悲しくて涙が止まらなかった。
あの女のことなんて忘れていたのに…
「とりあえず外行こう。な?落ち着いたらお土産見よう」
そう言って外のベンチに連れて行かれた。
「どうしたんだよ…」
座らされてもまだ私はアイツに抱きついたまま。
それで何かを察したのか私を抱き寄せてくれた。
「結衣……」
いつもより優しい声で私の名前を呼んでくれる。
なんでこんなに落ち着くんだろう。
そのまま私は15分くらい抱きついて泣いた。

