ペンギンのヨチヨチ歩きが可愛くてスマホで写真を撮る。
「そこ並びなよ。ペンギンと撮ってやるから」
そう言われペンギンと並んだツーショットを撮ってもらった
“ほーんと笑顔だともっと可愛いし反則だろ“
ペンギンショーに夢中になっていた私はその言葉に気づかなかった。
『ねぇイルカショー始まっちゃうから行こう!』
ペンギンを見てテンションの上がった私は、ふいにアイツの手を取りイルカショーへと走った。
『キャーー!』
前の方に座ったせいでイルカに水を掛けられ叫んだ。
「ハハッ!ずぶ濡れじゃん(笑)」
横で大爆笑してるともう1回ザブン!と音がなって今度は隣にいたアイツに掛かった。
『アンタだって人のこと言えないじゃん(笑)』
私よりもびしょ濡れになったのをみて笑った。
「あ〜ぁ。俺タオル買ってくるわ。」
その言葉とともに立ったアイツをみて慌てて止めた。
『待って!私も行く』
「えっ。だってまだイルカショーやってるじゃん」
『いいから私も行く』
不安そうな怯えた顔をしていたのだろう。
溜め息をついて私を座らせ隣に座った。
「どうした?」
『……なんでもない』
そういうと私の頭に手をおいて“分かった“と言った。
「じゃあ終わった後で一緒に買いに行こ?それならいいでしょ?」
その言葉に黙って頷いた。

