「ねぇ、カオル」
「ん?何?」
あたしは、ぐっと顔をカオルに近付けた。
カオルからしてこないなら、あたしの方から色仕掛けよ!!
「カオル…」
いつもより、飛びっきり甘い声で…上目遣いでカオルを見る。
ドキドキ…
高鳴る心臓
あたしは目を閉じた。
カオル…キスを頂戴…
――が……
「杏?何?用もないのに呼ぶなよ」
「え…」
ガーン…
何でよ…何でなのよー!?
うぅ…
もう、半泣き状態…
もう…もう…こうなったら!!
直接あたしの気持ちを言っちゃった方が良いのかな!?
あたしはドキドキしながら口を開いた。

