どうしてなの…? どうして避けられるの…? やっぱりカオルはあたしが嫌なの? 嫌いなの? 不安だよ…カオル… カオルの気持ちが分かんないよ… 拭ったはずの視界が、また涙で見えなくなる。 「杏…?」 カオルの声が聴こえる。 「おい杏…」 カオルの心配そうな声。 「あたしっ…もう分かんないよ!!」 誰もいない中庭に、あたしの声が響く。 「分かんないっ…の」