そして三日前、部屋に戻ってきたヴァイオレットさんはハティーさんに「懲罰塔ってとても恐ろしい場所だったわ!あんな秘密があったなんて」と言った。そして、その翌日に行方不明になった。

「ヴァイオレットは、しょっちゅう無断で学園を抜け出すことがあったから先生も何も言わなくて……。ヴァイオレットに何かあったかと思うと、私……」

泣き出したハティーさんに、ワトソン先生がハンカチを差し出し、私は背中をさする。ホームズさんは黙ってハティーさんの話を聞いていた。

「和香」

ホームズさんの言葉に、私は視線をホームズさんに移す。彼の目はとても真剣で、私の心臓がドキッと音を立てた。

「頼みたいことがある」

「はい。何ですか?」

ホームズさんの口から出てきた言葉に、私は驚いてしまった。

「イザベラス学園に、留学生として潜入してほしい」

ホームズさんやワトソン先生は、私を事件現場に連れて行くことはない。なぜなら、危険だから。でも今、私は調査協力をお願いされている。