ホームズの子孫の役に立ちたい

私たちは懲罰塔の前へと移動する。次に、ワトソン先生が言った。

「ヴァイオレットさんのスマホの検索履歴を調べたら、ピッキングについて調べてた。やっぱり和香が見つけたあの針金は、ヴァイオレットさんが使ったものなんだよ」

「調べたのは僕だがな」

ホームズさんはそう言い、針金を差し込んでいとも簡単に扉を開ける。ギイッと重い音が響いた。

中は薄暗く、上へと続く螺旋階段には埃が積もっている。ホームズさんを先頭に、私たちは幽霊が見えた場所へと向かった。私たちの後ろには、ハティーさんや学園のみんながついてきている。

「この部屋だな」

古びた木でできたドアの前にホームズさんは立つ。鍵がかけられていたけど、ドアを壊して中に入った。

「ヴァイオレット!!」

部屋に入った刹那、ハティーさんが声を上げる。その部屋の床には、縛られたヴァイオレットさんが寝かされていた。長時間拘束されていたからか、グッタリしている。

「大丈夫ですか?」