ホームズの子孫の役に立ちたい

新聞記事を見せてもらったけど、確かに不自然だ。明らかに誰かが事故に見せかけて……。

「和香、協力してくれて本当にありがとう」

ホームズさんが私を見つめ、微笑む。

「今からレストレードを連れてそっちに向かう」

「えっ!?じゃあ……」

私とワトソン先生の声がハモる。ホームズさんはニイッと笑った。

「ヴァイオレットさんの居場所も、犯人も、全てわかったよ」



それから数時間後、夕食の時間も終わり、ハティーさんと私は部屋で話しているところだった。

「誰ですか、あなた方は!?」

メアリ先生や多くの先生の悲鳴に近い声に、私とハティーさんは部屋を飛び出す。ホームズさん、ワトソン先生、レストレード警部が校舎の方に向かっているところだった。

「ホームズさん!ワトソン先生!レストレード警部!」

テレビ通話以外で初めて顔を見た。なんだか、とても嬉しい。

「和香!もうベーカー街に帰れるからね」

ワトソン先生がそう微笑むと、「どういうことですか?」と先生たちは訊ねる。レストレード警部が警察手帳を見せた。