ホームズの子孫の役に立ちたい

「今日は、一時間目と二時間目はダンスの練習をしました。三時間目は家庭科で、四時間目はパーティーマナーについて学んで、五時間目は世界史を、六限目は国語でした。気になることといえば……」

私は今日のことを話しながら、さっき下級生が話していたことを伝える。すると、ホームズさんとワトソン先生は顔を見合わせた。

「実は、イザベラス学園で起きた事件がいくつかあることがわかったんだ」

ホームズさんはそう言い、ずいぶん昔の新聞記事を取り出す。日付は今から十年前。

「セーラ・カッシングという女子生徒が行方不明になっている。そして、その女子生徒の行方不明事件の後からたまにイザベラス学園に事故が起きているな」

「どんな事故なんですか？」

私が訊ねると、ワトソン先生が口を開く。

「生徒が階段から落ちたり、頭の上に花瓶が落ちてきて大怪我をしたりする事故がいくつかあったんだ。何年かに一回のペースだけど、同じ学校でこんなに事故があるなんて不自然だよ」