ホームズの子孫の役に立ちたい

「……めちゃくちゃ大変そうだね」

ワトソン先生、そしてホームズさんとテレビ通話で話を聞いてもらっていると安心できる。ワトソン先生は何度も頷いて「頑張ってるね」と優しく声をかけてくれるし。泣きそうになっちゃう。

「和香、少し頼みたいことがあるんだが……」

ホームズさんに言われ、私は「はい」と返事をする。次は何をするんだろう。わくわくする。

「メアリ先生の通っていた大学を聞いてほしいんだ」

「どうしてメアリ先生が気になるんだい?」

ワトソン先生が口を挟むと、「話を遮るな!」とホームズさんにこめかみをグリグリと刺激されていた。

「イタタタタタタ!!」

「少し気になることがあるんだ。とにかく、聞いてくれ」

「はい!」

テレビ通話を切った後、私はすぐに動いた。メアリ先生に進路の参考にしたいと声をかけ、大学を無事に聞き出す。メアリ先生は、高校はオーストリアの名門高校に通って音楽を学び、イギリスに戻って××大学に入学したそうだ。