「サビが全く見当たらない。おそらく、最近そこに捨てられたんだろう」

ホームズさんの声を聞きながら、私は視線を感じて上を見上げる。そして、口から悲鳴が漏れそうになった。

「これは……!」

ホームズさんの驚く声が耳にはっきりと聞こえる。私も、目の前の景色が嘘であってほしいと思った。

窓に、怪しく不気味な光が見える。ハティーさんたちが見たものと同じだろう。

「和香、今日は戻るんだ」

ホームズに言われ、私はゆっくりと寮の部屋に戻る。恐怖と緊張はなくなることはなかった。



翌朝、ハティーさんに夜中にあったことを話し、映像を見てもらった。

「間違いないです!私とヴァイオレットが見た光です」

制服に着替え、ハリー・ポッターに登場しそうな大広間で朝ご飯を食べた後はすぐに授業だ。高校生の授業、とても懐かしい。

イザベラス学園では、国語や数学などの普通科目の他に、テーブルマナーや楽器、ダンスなどの淑女を育てる授業がある。うまくできるかな。