「本当に来てくれるなんて！！」

ハティーさんは喜び、私の手を握った。私はニコリと微笑む。

「どうですか？イザベラス学園は……」

ハティーさんに訊ねられ、私は正直に言うことにした。

「やはり、お嬢様学園というだけあって校舎内もとても豪華ですね！町から離れているのが不便ですが……」

「男性が入って来ないようにするためですよ」

明日から、私は本格的に授業を受ける。ハティーさんによると、授業内容はとても大変で自由な時間がない時もあるそう。そのため、自由に動ける今日のうちに例の塔を見に行くことにした。

「ほら、あれです」

寮を出て、ハティーさんに案内されたのは、学園から少し離れたところにある古びた塔。確かに幽霊が出そう……。

「あそこの窓に怪しい光が見えました」

ハティーさんが窓を指差す。私は塔の周りにぐるりと回った後、ハティーさんに質問をした。

「この塔の中には何があるんですか？」

「部屋があるそうです。でも扉に鍵がかかっているので、中に入ったことがある生徒は誰もいません」