学校の二つ前の駅に到着した。
彼女はしおりがわりに赤シートを挟み、静かに本を閉じてカバンに押し込んだ。そのままゆっくりと立ちあがり、扉の前まで足を進めた。ホームに足をおろし、歩き出した。追いかけなきゃ、と僕は思った。学校をはじめてサボって彼女の後ろ姿を追いかけた。
彼女は小道を通り抜け、坂をのぼり、海まで歩いた。
コンクリートの堤防に腰を下ろすと彼女は海を見ながらこういった。
『ねえ、あなたの名前は?』
周りを見渡す。僕の他には誰も人がいなかった。
『いつから気づいてた?』
『私はあなたの名前を聞いてるの。』
彼女は僕が名前を告げるまで、僕の話を聞く気はないようだった。
『律希、相模律希だよ。』
彼女は満足そうに笑った。
彼女はしおりがわりに赤シートを挟み、静かに本を閉じてカバンに押し込んだ。そのままゆっくりと立ちあがり、扉の前まで足を進めた。ホームに足をおろし、歩き出した。追いかけなきゃ、と僕は思った。学校をはじめてサボって彼女の後ろ姿を追いかけた。
彼女は小道を通り抜け、坂をのぼり、海まで歩いた。
コンクリートの堤防に腰を下ろすと彼女は海を見ながらこういった。
『ねえ、あなたの名前は?』
周りを見渡す。僕の他には誰も人がいなかった。
『いつから気づいてた?』
『私はあなたの名前を聞いてるの。』
彼女は僕が名前を告げるまで、僕の話を聞く気はないようだった。
『律希、相模律希だよ。』
彼女は満足そうに笑った。
