ホームには人がごった返している。
遅れてきた電車が止まると、ホームは行き交う人でさらに混み合った。
『苦し…』
明日からは、もう一本早い電車に乗ろう。そんなことを考えながら、僕は人に揺られる銀色の物体を見つめていた。そんなこんなにでぼーっとしていると時計の針はホームルーム開始の5分前を指していた。
また、乗り過ごした。こんなんじゃ、もう一本早い電車に乗ることなんて無理なんだろうな、とも思った。