「叶羽ちゃん、ごめんね。私のためにこんな……」

病室に来てくれた美羽が泣く。叶羽は首を横に振り、温かい左手でその頰に触れた。

「あたし、後悔なんてしてない。だって、この腕には代わりがあるけど、美羽ちゃんを失ったらその代わりなんてどこにもない。だから、本当によかった」

生きててくれて、本当にありがとう。

叶羽がそう言うと、美羽とお姉ちゃんも泣きながら同じ言葉を叶羽に返す。

叶羽と美羽は握手を交わした。機械の手と、人の手が交わる。

笑顔とともに、二人から涙がこぼれた。