キミの願い

「結衣は、どうしたいんだ?」
父親の問いかけに結衣はゆっくりと話し出した。

「…私は、ゆうちゃんとママとパパともっと一緒にいたい。……でも怖い。人の心臓をもらうなんて。誰かが死ぬのを待ちながら生きるなんて怖い。それにお金だってかかる…今までの入院費も治療費もたくさんかかって、その上大学にまで通わせてくれた。もう充分だよ。これ以上迷惑かけれない…」

泣きながらそう話す結衣に心が押しつぶされそうになった。

「…ママはね移植には賛成よ。だってあなたまだ21よ。周りの友達は可愛い服着てオシャレして勉強したり、仕事したり、デートしたりしてる。今までずっと我慢してきたでしょ。だから手術を受けて、元気になって、今まで我慢した分、楽しい人生を送って欲しいの。子供がお金の心配なんてするものじゃないわ」

「…ゆうちゃんはどう思う?」
「…僕の考えは結衣と出会った頃から変わってない。移植を受けて欲しい」