キミの願い

「南陽大に搬送して下さい。原田結衣、21歳女性。妻です。私はそこの医者です」
救急車で搬送しながら結衣の親へ連絡をとった。

「もしもし、お世話になっております。原田です。お母さんこれから病院に来れますか?呼吸苦を訴え結衣を搬送しています。検査してからになりますが、もしかすると少し特殊な処置が必要になるかもしれません」

すぐに向かうと言う母親の返事を聞き電話を切った。
病院にはすでに中岡が待ってくれていた。
症状と現在の様子を伝え僕は手を洗い処置の出来る準備に取り掛かった。

再び処置室へと戻ると点滴を繋ぎ先ほどよりかはゆっくり呼吸が出来ているけれど依然顔色の悪い結衣がエコー検査を受けていた。

「どう?」
「原田先生、これ見て」
「んー…狭いなぁ。カテ入れて切る?」
あくまでも結衣の主治医は中岡だから、判断を仰いだ。
「よし、切ろう」

中岡の言葉を合図にその場のスタッフが動いた。呼吸困難を起こし体力を使った結衣は呼びかけには答えるものの、ぐったりしていた。

結衣には局所麻酔をかけ、首筋からカテーテルを入れ心臓まで到達させ処置をする対処が取られた。途中で結衣を見ると薬の影響もあるのだろう眠っていた。