それから結衣はきちんと考え答えを出した。
会社の上司と話をした結果、時短勤務には応じられないと言われ仕方なく退職した。
けれどそれで大人しく家にいるようなタイプじゃないのは分かっていた。

「ねぇ、これどうかな?10〜16時勤務で週3」
そう言ってバイト雑誌を持ってきた。
「図書館?」
「うん。受付業務」
「でも図書の陳列もあるって書いてるよ。重たい本持って館内歩くんじゃないの?」

「そっか…じゃあこれは?」
「ん?座って楽々、流れ作業。何これ?」
「商品にシール貼るんだって」
「黙々と同じ作業を繰り返すの?5時間も⁈うわぁー…僕には無理」

「ゆうちゃんだって5時間以上の手術する時あるでしょ?一緒じゃん」
「5時間同じ作業じゃないからね(笑)切って繋げて貼ってってしてる」
「何その工作みたいな言い方」
「近い物はあるよね(笑)でも5時間も同じ作業して体力使う割にこの時給は見合ってないんじゃない?」

「そうかな?じゃあ…次の雑誌みてみる」
乱雑に積み上げられたバイトの情報誌。
僕としては専業主婦で空いた時間はのんびり過ごしてもいいよって言ったんだけどね…