「心臓の機能が弱ってくると、全身に運ばれる血液や酸素の量が減るでしょ。10必要で10供給できるなら問題ないけど、5しか供給できなければ足りないよね?」
「うん…」
「人間の体って案外上手に作られてて、足りなければ足りないなりに順応しようとする訳。そうすると、いろんな臓器が無理して、段々と弱ってくる。臓器が弱るって事は体が弱るって事」
「うん」
「そんな状態の時にもし発作が起きれば、おそらく薬だけではどうにも出来ない。手術が必要になるかもしれない。けれど弱りすぎた体だと手術に耐えられないかもしれない。だから今はきちんと薬を飲んで、負担をかけないこと。次に発作が起こるのは明日かもしれないし、三年後かもしれない。誰にも分からないからね」
「仕事辞めて、家の中に閉じこもってろって言うの」
「そうは言ってないでしょ」
結衣は唇を噛み締めて、目にいっぱい涙を溜めていた。
「……生きてて欲しいんだよ、結衣に」
「………」
「僕はずっと結衣と生きていきたいんだ。だから考えてみて」
「…ゆうちゃんはズルいよ。いっつもそう」
「結衣?」
「何かあればすぐにそう言って、生きてて欲しいって。私だって死にたくない。そんなの当たり前でしょ。でもやりたい事、全部我慢して生きていたくない!!」
「うん…」
「人間の体って案外上手に作られてて、足りなければ足りないなりに順応しようとする訳。そうすると、いろんな臓器が無理して、段々と弱ってくる。臓器が弱るって事は体が弱るって事」
「うん」
「そんな状態の時にもし発作が起きれば、おそらく薬だけではどうにも出来ない。手術が必要になるかもしれない。けれど弱りすぎた体だと手術に耐えられないかもしれない。だから今はきちんと薬を飲んで、負担をかけないこと。次に発作が起こるのは明日かもしれないし、三年後かもしれない。誰にも分からないからね」
「仕事辞めて、家の中に閉じこもってろって言うの」
「そうは言ってないでしょ」
結衣は唇を噛み締めて、目にいっぱい涙を溜めていた。
「……生きてて欲しいんだよ、結衣に」
「………」
「僕はずっと結衣と生きていきたいんだ。だから考えてみて」
「…ゆうちゃんはズルいよ。いっつもそう」
「結衣?」
「何かあればすぐにそう言って、生きてて欲しいって。私だって死にたくない。そんなの当たり前でしょ。でもやりたい事、全部我慢して生きていたくない!!」

