医局で溜まった事務仕事をこなしていた。
時刻はもうすぐ6時半。
少しぬるくなったコーヒーを飲み外を眺めていた。

「お疲れ」
そう言って入って来たのは中岡だった。
「お疲れさん」
中岡はコーヒーを淹れるとソファに座って伸びをした。

「結衣ちゃん、気をつけて見てやれよ」
「…何?なんかあった?」
そう言うと中岡は僕のデスクのパソコンで結衣の検査結果を照会した。

「今日のと3月の」
「……なんか言ってた?」
「これからの治療方法聞かれた。あんまり脅しじみた事も言えないだろ。家ではなんともないんだろ?」

「ずっと一緒な訳じゃないけど、僕といる時はね」
「そっか。本人には言わなかったけど、そろそろ仕事も考えた方がいいかもな」
「…そうだな。タイミング見て話してみるよ」