キミの願い

「大きさ違うの分かる?」
「言われてみれば…」
「すぐに治療を開始しなければならないって訳じゃないけど、注意が必要なレベル。もしかすると自覚症状も出るかもしれない」

『自覚症状』その言葉にドキッとした。
「…自覚症状って?」
「例えば胸痛だったり、目眩だったり、息苦しさだったり」
「もしそうなったらどうなるの?」
「程度にもよるけど、薬で抑える場合もあるし、外科的処置になる場合もある」

「そっか…」
「一応次の予約は来月にしておくけど、何かあるなら迷わず来て。僕でもいいし、原田先生でもいいから報告して欲しい」
「うん…分かった」

嫌な予感は当たった。きっと何か言われる。
そう思っていたから。

ゆうちゃんと出会って結婚して、幸せな日々を過ごして…少し夢を見ていたのかもしれない。
ゆうちゃんと一緒に年を重ねようって。

だけど、私の人生はいつも死と隣り合わせ。
そんな事さえ忘れていたのかもしれない。
薄い薄い氷の上をゆっくり歩いていく。
もうすぐ氷が割れてしまう。
自分の中で静かにカウントダウンが始まった気がした。