「どう言う意味?」
「バカだねー。純粋に結衣が好きってこと。そうじゃなきゃ、患者だよ?そんなリスキーな結婚よっぽど好きじゃなきゃ踏み切れないよ」

「リスキーかぁ…」
「だって場合によっちゃ、今まで培ってきたもの全部失うんだよ。病院での立場、他の患者さんからの評判。あらゆる物と結衣を天秤にかけて、結衣を選んだ。愛されてる証拠だよ、これ以上何を願うの?私からしたら羨ましい限り」

「そっか…そこまでして選んでくれたんだ。でも自分でもよく分かんないよ。病気なんだよ、しかも死ぬかもしれない。それなのに結婚だなんて」

「いいんじゃない。結婚したくてもできない人なんていっぱいいる。病気だろうとなんだろうと好きだと言ってくれる相手がいる事には感謝しなきゃ。オマケにイケメンで金持ち。贅沢すぎだよ」

「所詮、人間なんて無い物ねだりだよね。隣の芝生は青い…」
「そうかもね。じゃあ愚痴の聞き代として、ここは結衣の奢りね」