カンファレンス室に集まった、両親と結衣と僕。そして主治医の中岡。

「不整脈の中にも害を来すものと来さない物とがありますが、昨日のは後者の方でした。なので不整脈に関しては今まで同様、投薬により経過をみたいと思います。ただ起こる頻度が年齢を重ねる度に増えているのも事実です。自覚症状のない不整脈というのは問題ありませんが中には気を失う。いわゆる失神ですね、する場合もあります。そうなれば突然死のリスクというのが格段に上がります。ですので退院してしばらく様子を見て、その兆候を調べる検査を一つ受けて頂きたいと思います」

中岡の言うことは全て正論であり、僕の意見と全く同じだった。

「検査って?」
不安そうに結衣が尋ねた。
「少し特殊な心電図検査だよ」
つい口を挟んでしまった。