ザワザワと騒がしい物音が眼が覚めると、周りは明るく嫌でも病院なんだと分かる。

「んー…よく寝た」
何時間寝ていたのか分からないけど、気分は良かった。
ソファの上に置かれた通勤用のカバンが一つ。

荷物はそれだけ。
ベッドから降りて点滴の管を引っ張らないように気をつけカバンからスマホを取り出した。

『6:50』もうすぐ7時が来る。
今頃ゆうちゃんは朝ごはんを食べているだろうか…

「原田さーん。お食事置いときますね」
「はーい」

看護師さんによって運ばれて来た朝ごはん。
夜ごはんも食べてなかったのでお腹は空いていた。
食欲があり、完食出来たことに自分でも安心した。

昨日は化粧を落とさず寝てしまった…
ご飯を食べ終わりもう一度カバンを手に取った。
良かった。あった。
こんな時の為にポーチにスキンケアグッズを詰めていた。いつ倒れるか分からないから…

その後、看護師さんが来て、血圧や体温をチェックして行った。