椅子に座り結衣の手を握り、そっと前髪を分けた。

「結衣、ごめんね。気づいてあげられなくて。苦しかったね…」

しばらくすると結衣は気が付いたようだ。

「ん……」
「結衣?結衣、分かる?」
「…ゆうちゃん…」
「もう大丈夫だよ、頑張ったね」
「…ごめんねハンバーグ…」
「また今度でいいよ」
そう言ってナースコールを押した。

「中岡先生、呼んでもらえる?」
「はい、お待ち下さい」
すると部屋にやって来た中岡と看護師さん。

「どう?」
「さっき目が覚めた。バイタルも安定してる」
その答えを聞きながら中岡は聴診器を耳にかけた。