予定通りに仕事を終え、病院を出た。
今夜は結衣がハンバーグを作ってくれるんだから嬉しく無いはずがない。
家に帰る前に少し寄り道して日用品を買いに出かけた帰り道、後方から来た救急車に道を譲った。

まさか結衣が乗っているなんて思いもしなかった。

先に帰り着いた僕は結衣の帰りを待ちながら家事をこなした。
けれど18:30を過ぎても結衣は帰ってこなかった。

さすがに心配になり電話をかけたけど出ない。
受話器からは留守電のメッセージが静かに流れた。
胸騒ぎがしていても立ってもいられなくなり、車の鍵を持って玄関に向かった。
その時、ポケットでスマホが震えた。
『病棟』
こんな時に呼び出し…車に向かいながら応答した。