「あっ、起きた。気分は少しマシになったか?」
「…中岡」
「お前でも風邪引くんだな」
「みんな揃って何?人のこと馬鹿にしてる?」
「ほれっ!」

中岡の手から体温計が投げられた。
少しマシになったけどまだ熱があるのは自分で分かる。
「何度だ?」
「39.2度…ってことで帰るね。医局長に言っといて。しばらく休養しますって」
「帰るってそんなんじゃ運転できないだろ。事故るぞ。送ってやる」

人の好意は素直に受け取るべきだと言われ中岡に送ってもらった。

「なんだこの無駄に広いリビング…」
「最近掃除してないから埃だらけだよ。ん、こっち」
あまり気はすすまないけど寝室に招き入れてしまった。

「可愛いカーペット。こんな趣味だったんだ」
「…見りゃ分かるでしょ。結衣の趣味」
「だろうね。こう言うの好きそうだ」