キミの願い

ゆうちゃんや中岡先生の域になると採血するのに躊躇いなんて全くない。その手技を見ながら問いかけた。

「ねぇ?中岡先生やゆうちゃんも最初はやっぱり採血とかって緊張して下手だったりしたの?」
「さぁどうだったかな…いいよ、パーして」
「それはもう経験じゃないのか?まぁ俺は学生の頃から出来てたけどな」

「何度も練習して、プレッシャーのかかるような現場も経験して段々と医者になっていくからね」
「今も緊張する?」
「さすがに採血で緊張はしないけどね。メスを握る前は緊張と言うか一息おくようにしてる。僕はね。凄腕の中岡先生は知らないけど」

「俺だって人間だからな。緊張ぐらいするさ。じゃあ結衣ちゃん首こっちに傾けて」
「へー。中岡先生でも緊張するんだね。どんな時?」
「んー…今」
「え?」
少し驚いて先生を見上げた。