キミの願い

「そうですか。じゃあそれで予定組んでおきます」
「木曜に生検だろ?」
「はい、午後の予定ですね」
「順調で何より。さぁ研修の先生はさっさと帰んな。仕事がしたけりゃ分けてやるぞ」
そう言うと瀬尾先生は行ってしまった。

「セイケンって何?」
「ん?検査の名前だよ」
「そうじゃなくって。何するの?」
「カテーテルと一緒だよ。少しだけ心臓の細胞を採取するの」

「原田先生がやるんですか?」
「え?どうかな、まだ分かんないけど。なんで?」
「あっいや。見学したいなぁ…なんて思いまして。俺、先生のこと尊敬してて、先生の論文には全て目を通していますし、先日の手術も後からですが拝見しました」

「そっか。野田先生、憧れてくれるのは嬉しいけど君はまだ外科の実習生じゃないよね?カテーテルなんて実習中に見る機会はいくらでもあるんだから今は実習先の勉強を第一に考えること。外科に来たらいつでも見てくれていいから。分かった?」
「…はい。すみませんでした」
「野田先生は勉強熱心なんだね」