キミの願い

「ダメだよー。ちゃんと教えてくれないと。痛いって言っても薬が切れて痛むのか、傷口が感染症起こして痛いのか、それとも全く別の痛みなのかで対処が変わるし緊急性も変わるんだから。分かった?」
「…ハイ」

これは、怒られているのだろうか…
「消毒準備して。ついでだからガーゼ交換しよう。消毒して、傷口の状態と治りと診せてもらうね」

周りのカーテンがシャッと閉められあっと言う間に用意が整った。

ICUと言う場所ではイヤだとか待ってとかって言う患者優位な発言は許されないのだろう。…と言うかそう言う事が言えるほど元気な人はここにはいないと言うこと。

外気に触れた胸元が少し寒い。
「さすが原田先生。縫い方が丁寧でムラがない。傷口の化膿も無いし治りもいいね。予定通り抜糸できそうだ」
消毒をしながら先生はチラリと横目で私を見るとそう言った。