キミの願い

右側を向いたことで今までと違う景色が見える。
ICUって案外狭いんだ…なんて思う。
でもやる事なんて何もないからボーっと景色を眺める。
みんな忙しそうだな…目を瞑れば眠たくないのに、寝そうになる。
どれだけ眠いんだ!って自分にいいたくなる。

「…さん。原田さん。分かります?」
看護師さんの呼びかけで、自分が唸りながら寝ていたと言うことに気付いた。
「気分悪い?それとも痛む?」
「…え?」
ぼんやりしていた意識が徐々にハッキリしてきた。

「…っつ。いった。痛いかもしれない…です」
「そんなのは我慢しないで言わなきゃダメだよ。痛み止め追加して」
そう言って現れたのは一番最初にここで見かけた先生だった。

「傷が痛い?骨が痛い?」
「……分かんない…です。」
「チクチク痛い?ズキズキ痛い?」
「…両方…」
「寝てて痛みに気づかないなんて鈍感なのかと思ったけど、そんなこと無さそうだね両方って返ってくるとは思わなかった」

看護師さんによって額の汗が拭かれた。
「息止めないで、ハイ深呼吸」
何もしなくても痛いこの状況で深呼吸をしろと…なかなかスパルタチックな先生のようだ。

ゆうちゃんが言っていた、甘やかせてあげられない。って言うのはこの先生がいるからなのだろうか…