キミの願い

「あっ、お母さんこんにちは」
「先生、お世話になっております」
「結衣ちゃん、心拍や血圧に問題はなさそうですが、少し熱が高いので解熱剤だけ入れときますね」
「そうですか。分かりました」

「ねぇ、今何時?」
「今?6:30よ何かあった?」
「ううん。大丈夫」
「愛しのゆうちゃんなら、もうすぐ来るんじゃない?」

薬を点滴に追加してくれていた中岡先生がわざとそんな事を言った。

「もう!からかわないでよ」
怒って言ったつもりなのに言葉に覇気がなくハイハイって軽く流されてしまう。

「あっ、ホラ来たよ。ゆうちゃん」
「もう、からかわないで」
「何?みんな揃って?」
「お前のお姫様が待ちくたびれてたぞ」

中岡先生のそんな冗談よりもゆうちゃんの視線は中岡先生の手元に注がれてた。
「何度あるの?」
「38.6度」
「結構あるな…」
「うん。でも他は心配なさそうだけどな。じゃ俺はこれで失礼するよ。またね結衣ちゃん」
「ありがと」
ゆうちゃんは近くのイスに座って私の頭を撫でた。