キミの願い

結衣から預かった指輪をそっとケースに入れロッカーにしまった。

「原田先生、緊張しての?」
「え?なんで?」
「なんでって奥さんだし」
「緊張してないって言えば嘘になるけど、まぁいつも通り。中岡先生は?」
「俺?ギャラリーが豊富で燃えるね。上見た?院長、理事長、事務局長…お偉いお暇な方がいーっぱい」

通常のオペとは違い心臓移植手術だから大々的に知らされた。
他の科の手の空いている医師もいる。
全員の注目が僕らに注がれている。
きっと新聞などでも報道されるだろう。

「よし!!行こう」

中岡の合図で結衣の元に向かった。
既に麻酔がかかり眠る結衣に僕は誓った。

『結衣、一緒に頑張ろう。僕らなら乗り越えられる』