キミの願い

結衣もお母さんもただ頷くだけで、きっと頭がついて行っていないのだろう。

再び部屋がノックされ今度はトレーを持った看護師さんがやって来た。

「中岡先生、準備できました」
「おっ、ありがとう。そこ置いといて」

「何も無ければ一旦失礼します。原田先生は結衣ちゃんのバイタル確認して、点滴を開始して。それが終われば医局へ戻って」
「はい、はい」

部屋に残った結衣とお母さんと僕。
「さっき14時にはオペ室って言ったよね?」
「うん、そうだね」
「…うわぁ。すぐじゃん!!後、1時間ちょっと…」

「はい、じゃあ廊下で待ってるので先にこれに着替えて下さい。当たり前だけど心臓の移植手術なので切られたくなければ下着も外しといて下さい」
「わ、分かってる!」

冗談混じりに言うと照れた表情で返事が返ってきた。