キミの願い

「笹先生、ココ。この血管」
後ろから指を差し教えると
「え?ココですか?」
どうやらまだまだ練習が必要なようだ。

「ねぇ?まだかかる?」
眉間にシワを寄せ結衣は笹くんを見つめた。
「…時間切れ」

二の腕に巻いていた駆血帯を一度ほどき、結衣の手をさすった。
「時間かけすぎ。患者さんだって腕が痺れるよ」

結衣はプラプラと手を振っていた。
「ご、ごめん佐伯」
「うん、いいけど…」
「変わるよ」
そう言って笹先生と場所を変わり道具を受け取った。

「腕、痺れてない?」
「ちょっとだけね。でも平気」
「辛かったら反対の腕にするけど」
「ううん、こっちでいい」
その言葉を確認し、もう一度駆血帯を巻いた。