「結衣ちゃんは2本お願いします」
そう言われ渡された注射器。
「それも笹くんがするの?」
「そのつもりだけど…」
深呼吸をすると結衣は腕を差し出した。
でも僕の勘だときっとできないだろう。
結衣の血管は細くて分かりにくい。
駆血帯を巻いてもうっすらとしとか血管が見えないこともある。
つまりは初心者泣かせの血管。
後ろで静観していると、苦戦しているのが可笑しくてつい笑いそうになる。
「ねぇ、まだ?」
「いや、ちょっと待ってね。血管が…」
それでも出来ない様子だ。
けれど待つにも限度がある。
掌をグーさせたり、手をさすってみたり試行錯誤している。
そう言われ渡された注射器。
「それも笹くんがするの?」
「そのつもりだけど…」
深呼吸をすると結衣は腕を差し出した。
でも僕の勘だときっとできないだろう。
結衣の血管は細くて分かりにくい。
駆血帯を巻いてもうっすらとしとか血管が見えないこともある。
つまりは初心者泣かせの血管。
後ろで静観していると、苦戦しているのが可笑しくてつい笑いそうになる。
「ねぇ、まだ?」
「いや、ちょっと待ってね。血管が…」
それでも出来ない様子だ。
けれど待つにも限度がある。
掌をグーさせたり、手をさすってみたり試行錯誤している。

