「おはようございまーす」とカーテンを開けば結衣はベッドに座って本を読んでいた。

笹くんが説明すると結衣は少し考えていた。
「嫌だったらホント大丈夫だから。あの…その…同級生だし」

医者と言えど旧知の仲…結衣が戸惑うのも無理はない。
「いろいろ思うことはあるんだけど、いいよ。笹くんには立派な先生になってもらいたいからね」
僕から一言注意点を伝えると診察を始めた。

「…大丈夫そうですね」
そう告げると看護師さんが採血の準備を始めたのを結衣は真剣に見つめていた。
おそらく聞いてない!なんて思ってるはず。