キミの願い

夜、結衣の元へ行きその話をすると結衣はケラケラ笑っていた。笹くんらしいって。
でも僕の知らない結衣を彼が知っていると思うと少し妬ける。
自分でも驚くほど結衣に夢中なんだと気付かされてしまった。

「あーあ、でも懐かしいな高校の頃。あの時には想像できなかった未来を今、生きてるんだね」

急にまじめなトーンで結衣はそう言った。

「ん?」
「ねぇ、もう仕事終わったんでしょ?」
「終わったよ。どうかした?」
「少しだけ話、聞いてもらえる?」
「もちろん」

「この前、中岡先生が移植の話してたでしょ?」
「うん、そうだね」
「なんとなく、ゆうちゃんも中岡先生もパパもママもこのまま手術ができれば…みたいな雰囲気だったでしょ」
「うん。実際そう思ってるよ」