「何か飲む?」
外来棟の自販機コーナーが見えてきた。
割と広くテーブルも並んでいる。

「いいの?」
「いいよ。でも生憎100円しか持ってないから買えるのにしてよ」
「じゃあ…ココア」
「言うと思ったけど…甘いの選んだねぇ。中岡先生には内緒だよ」

頭をポリポリと掻きながら答えた。
空いている座席に車椅子を付けると
「ちょっと待ってて」そう言って買ってきてくれた。

「はい。熱いから気をつけて」
「ありがとうー」
紙コップからユラユラと上がる湯気を眺めコップを握り飲むより先に冷えた手を温めた。

「じゃあこれもあげる」
ゆうちゃんの白衣のポケットから出てきた可愛くラッピングされてた紙袋。