「どうする?疲れてないならもう少し向こうまで行くけど」
「大丈夫だよー。もちろん行く!」
「寒くない?」
「うん。ゆうちゃんは?」
「僕?平気だよ」
そう言いながら膝掛けを掛け直してくれる。

季節は巡り時々開く自動ドアからは冬の匂いがする。
車椅子を押してもらいゆうちゃんとデートに出かけていた。院内だけど…

入院している病棟から外来棟の方まで回り病院をぐるりと一周する。
今の私に許されるのはたったのこれだけ。
冬は風邪が流行るからって。
でも夏には日差しが厳しいからって。
結局は病院からでることなくもうすぐ2年が経つ。