エアーズロックを見たり、ゴンドラに乗って街並みを見たり、山の上の修道院を見たり、イルカと一緒に泳いでみたり…どれもこれも今のこの状況じゃ無理なのは誰がみても分かる。

「いたっ…あっ切っちゃった」
滲んできた血をティッシュで押さえた。
でもそんな血を見て、漠然とあぁー生きてるんだ…なんて思ってしまう。

そのうち止まるだろうけど放っておいて後から怒られるのもイヤだから。
ベッドから降りてナースステーションに向かった。