ダメだ…このまま痛みと格闘しても良い事は何もない。意を決してナースコールを押した。
すぐに看護師さんは来てくれた。

「原田さん、どうしました?」
「1時間ぐらい前からお腹が痛くて寝れないんです。でもトイレに行きたいっていう痛さじゃなくて…」
「そっか。一応、熱計っといて下さい。先生に伝えてきますから」

体温計を受け取り脇に挟んだ。
先生が来るよりも先に鳴った体温計には37.6度の文字でゆうちゃんがいる時に計ったのとほぼ同じだった。
やがて看護師さんと川本先生がやって来た。

「原田さん、お腹痛いんだって?いつから?」
「1時間ぐらい前です。たぶんそれで目が覚めて…」
「でもトイレに行きたい訳じゃない?」
「はい…」
「ちょっと診てみようか」

看護師さんによってめくられた布団に少し寒くて震えた

「どの辺?」
「んー…ここ?」なんとなく痛い場所を伝えた。
「胃かな?少し触るから痛かったら言ってね」
「痛いけど、触ったから痛いって言うんじゃないです」
「触っても触らなくても痛い?」
「うん…」

「うーん…今夜は痛み止め出しとくから、明日の朝一で内科の先生…消化器内科がいいか。診てもらおうか」
「はーい…」
「痛み止め出すけど、それでも治らないようなら再度コールしてね」
「うん。ありがと」

それからすぐに看護師さんが点滴を用意してくれたおかげで眠ることができた。