キミの願い

次の日の朝、早くから横井さんは来ていた。

「結衣ちゃん、カテーテル検査って受けたことある?」
「うん、あるよ。どうして?」
「今日ねそれがあるの…なんだか怖くて」

不安な気持ちが声にも現れていた。
「その気持ち分かる。でも大丈夫、寝てれば終わるよ」
「結衣ちゃん寝てたの?」
「寝てる時もあったかな?」
「寝てる時もって事は原田さん、何度もしたことがあるんですか?」

「…心臓病歴長いですから」
自虐的に笑うと小夜さんもつられて笑った。
「結衣ちゃん面白いこと言うね」
「怖いけど、先生見てたら意外と楽しいよ。見てるのいつ気づくかなぁとか、真剣な顔してるとか、今くしゃみしたらどうなるんだろうとか」

「原田さん変わってますね。いい意味で」
「変わってるに良い意味ってあります?」
「結衣ちゃんに聞いて良かった。少し楽になったかも」
「じゃあ良かった」

検査に向かう小夜さんを笑顔で送ってあげた。
ここで待ってるからねって。
1時間後、小夜さんは笑顔で帰ってきた。
眠らなかったけど、結衣ちゃんの言った通りだった。ありがとうって。

それから1週間が過ぎた。
看護師さんに車椅子を押してもらい検査から戻ってくると小夜さんは荷物を片付けていた。
心の中で『そっか…良かった』なんて思っていると小夜さんから声をかけてくれた。