「はい、そろそろ戻っておいで」
布団をめくり、座れとアピールした。
仕方なくベッドに座るとゆうちゃんは診察の準備をしながら
「すっかり仲良くなったみたいだね」
って笑って言った。
ベッドに上がるのにそっと手を出してくれるさりげない優しがが嬉しい。

「楽しく話すのはいいけど、息が上がってる。夕飯まではゆっくりしてなよ」

診察が終わると苦笑いしてそう言った。
「足は?」
そう言うと、布団をめくり押しながらスネを触った。

心不全が悪化すると体に水が溜まって足が浮腫むんだって。だから朝と晩に先生か看護師さんがそのチェックに来る。入院してからの日課になっていた。
「相変わらず冷たい足。うん、大丈夫だね」
布団を掛けなおし微笑んだ。