「お世話になってるのは、私の方です、小夜さんには優しくしてもらってお姉ちゃんみたいで嬉しくて」
「原田さん、迷惑かけてたら言って下さいね。小夜、ちょっとワガママだから」

「そんなことないです。小夜さん来てから毎日ちょっと楽しいし」
「良かったね、可愛い妹ができて」

きっと横井さんは小夜さんの彼氏。
2人の柔らかな雰囲気がこの場の空気を優しくしていた。
2人としばらく話をしていた。
でも立ったままで話をするのは、やっぱり疲れる。段々と体力が無くなっているのを実感し虚しくなった。

するとゆうちゃんが部屋にやって来た。
「遠藤さん、明日の検査の注意事項です。昼間お伝えした事ですが一応目を通しておいて下さい」
「あっ、はい…」
「先生、小夜のこと宜しくお願いします」
「先生こちら横井さん。今度ね結婚するの」

「そうですか。おめでとうございます」
「ありがと。先生も結婚してるんだよね?奥さんどんな人?」
「どんな…そうだなぁ。とても強い女性ですよ」
「え、格闘技系?」

驚いて横井さんがそう言うとゆうちゃんは笑って、そう言う事にしておきましょう。だって…するとそのまま向きを変え、カーテンを閉めながら私のベッドサイドへやって来た。