「失礼します。遠藤さん」
そう呼びかけ部屋に入ってきたゆうちゃんは私の前を素通りした。
「原田先生。…私、本当に入院するんですね。なんだか不安で…」
「そうですね。最初はみなさん不安ですよ。だからきちんと治療して、早期退院を目指しましょう」
「先生、小夜ちゃんのこと、よろしくお願い致します」
「こちらが治療の計画表です。明日の朝にいくつか検査してその結果に基づき午後から治療を開始したいと思います」
部屋を出る時に目が合うと、ゆうちゃんはニコリと微笑んでくれた。
たったそれだけの事なのに、胸がキュンと熱くなる。
「挨拶済んだんだから帰っていいよ」
「でもママ心配だわ」
「もういいから。大丈夫だから帰って」
「小夜ちゃん!もう…じゃあまた明日来るから」
「来なくていい」
半ば追い出されるようにお母さんは帰って行った。
すると困ったような顔を私に向け
「いつまで経っても親バカ。子離れできてない典型的な親よね」なんて言って笑った。
そう呼びかけ部屋に入ってきたゆうちゃんは私の前を素通りした。
「原田先生。…私、本当に入院するんですね。なんだか不安で…」
「そうですね。最初はみなさん不安ですよ。だからきちんと治療して、早期退院を目指しましょう」
「先生、小夜ちゃんのこと、よろしくお願い致します」
「こちらが治療の計画表です。明日の朝にいくつか検査してその結果に基づき午後から治療を開始したいと思います」
部屋を出る時に目が合うと、ゆうちゃんはニコリと微笑んでくれた。
たったそれだけの事なのに、胸がキュンと熱くなる。
「挨拶済んだんだから帰っていいよ」
「でもママ心配だわ」
「もういいから。大丈夫だから帰って」
「小夜ちゃん!もう…じゃあまた明日来るから」
「来なくていい」
半ば追い出されるようにお母さんは帰って行った。
すると困ったような顔を私に向け
「いつまで経っても親バカ。子離れできてない典型的な親よね」なんて言って笑った。

