クローゼットを閉じると、誰か男の人が隣に座ってきた。 アバターはありきたりというか、プリセットのようなもので、おそらくこのアプリを始めたばかりだろう。 「こんにちわ」 話しかけてきた。キミは一瞬迷って、「こんにちは」と返した。「こんにちは」を「こんにちわ」と表記する人がキミが嫌いだ。 「何歳?」 「17歳です」 「今年?w」 「今年、18歳になります」 「そうなんだw」 しばしの沈黙。 「どこ住み?w」 「福岡です」 「遠いねw 俺、東京w」 「そうですね。遠いです」