僕はキミの男の脳内をいじった。「キミと男が男女の関係になるように」ってね。ハンバーガーショップでそわそわしていたのは、そのせいだよ。あの時、僕はすでに男の脳内をいじっていたんだ。


それからのことは、もう覚えているね? キミは男と再び合流して、ビジネスホテルに入り、男女の関係になった。


そして、キミのお腹には新しい命が宿った。まあこれは僕が男とキミの脳内をいじって作り出したものなんだけどね。


「ちょっと待って。命なんか作り出せるわけないじゃない」そう思ったよね? でもできるんだよ。それもルネサンス期の頃にはもうその技術はあったとされている。


パルケルスス。スイスの錬金術師だよ。彼は蒸留器に男しか作り出すことのできないあるものを入れ、40日間密閉させたり、人間の血を与え続けたりすることで、フラスコの中でなら生存可能な人間の子供、「ホムンクルス」を生成した。


その知識を僕は応用したんだ。理論上で作り出せるものは、僕はなんでも作り出せる。頭の中ならなお容易い。キミのお腹の中に、ホムンクルスを作り出し、あとはキミが勝手に育ててくれればいい。


そして、キミは自分の子供がただの人造人間「ホムンクルス」だということを知らないまま大人になり、知らないまま死んでいく。それが僕の復讐だった。


しかし、キミはそれ以上に苦労したようだね。