あなたの隣~憧れ先輩と営業外回りペアになりました~

こんなに笑う先輩を見るのは初めてだった私は、醜態をさらしてでも先輩を笑顔にしている自分の行いに、少し”でかした”とですら思えてしまった。

「お前が急に電柱に激突した姿は・・・何年かネタにして笑えそうだよ。」
笑いが落ち着いてきた先輩が私に話始める。

私の視線を感じて先輩が助けに来てくれた時にはすでにビールを飲みほしていて、すぐに私は眠ってしまったらしい。二次会に移動するタイミングで私を起こそうとしたらしいけど、全く起きず電柱に激突するくらいに酔っていた私を先輩が仕方なく自分の部屋に連れてきてくれたことを教えてくれた。

「本当にすみませんでした」
「別にいい。面白かったから。」
話がひと段落すると先輩は時計を見た。
「そろそろタクシー来たかもな。」
その言葉に私が立ち上がると先輩も立ち上がる。

「お邪魔しました。」
「いえ。」