あなたの隣～憧れ先輩と営業外回りペアになりました～

「20分くらいで着くって。タクシー」
「はい・・・本当にすみません・・・」
私が先輩に謝ると先輩は何も言わずにキッチンへ行ってコップに水を入れてきてくれた。
「ほら」
私の手に水を渡してくれる。
「本当にすみません。私・・・二度とお酒は飲みません。」
水を受け取りながらそのまま頭を下げる私。
前に立っている先輩からどんな言葉がくるか身構える。

「おでこ。」
「え？」
「痛くないか？」
私はふと自分のおでこに触れる。そういえば冷却シートが張ってあった。
「大丈夫です。」
「・・・ははっ！」
先輩は何かを思い出したように吹き出して笑う。先輩を見上げると
「こっちみんな思い出して腹が痛い！」
と先輩はさらに笑った。

その表情に、よかった・・・怒ってないみたいと少し安心する。