あなたの隣～憧れ先輩と営業外回りペアになりました～

「タクシー呼ぶから、待ってろ」
先輩はそう言って私にカバンを渡すと自分の携帯電話を取りに行った。

もう一度冷静にあたりを見渡す。
心平先輩は一人暮らしだったんだ・・・やっぱり想像通り、余計なもの以外は何も置いていない家。私のいる部屋はリビングかな？キッチンとソファ、大きなテレビがある。
壁には一面を覆うかのように棚にたくさんの本が並べられていた。

内容はほとんどが薬学や医学に関しての本。
英語の本も多い。

ふと壁にかけられていた時計を見ると12時30分だった。
しまった・・・一次会で帰ったはずなのにこんな時間。しかも先輩は起きていてくれたらしい。
明日が休みでよかったと思いながら私はどんな表情で先輩ともう一度話せばいいかわからずただその場に立っていた。

「座ってろ」
再び先輩の声がして
「はい・・・」
とどうしたらいいかわからなかった私はすぐに自分が寝ていたソファに戻った。